スイングブレード製材機の特徴

スイングブレード製材機は
製材精度・操作性・耐久性のバランスに優れ
素材加工や林業の現場における幅広い要求に応える製材システムです。
ターボソーミルが実現した
生産性向上と安全性を兼ね備えた特徴をぜひご覧ください。
スイングブレードとは?
スイングブレードとは、1枚の丸鋸刃を水平方向と垂直方向に切り替えながら丸太を製材する方式です。
丸太を回転させる必要がなく、刃を「スイング(回転)」させることで、正確な角材や板材を自在に切り出すことができます。
この構造により、同じ位置から水平・垂直両方向の切断ができ、必要な寸法に応じて順番に木材を取り出すことが可能です。
また、製材の度に丸太を回転・配置調整したり、大がかりなエッジ加工を施す必要がないため、作業時間と手間を大幅に削減できます。
ターボソーミルのスイングブレードの特長
一般的なスイングブレード製材機では、刃の構造やキャリッジの設計によって操作の自由度やメンテナンス性が異なります。
ターボソーミルの製材機は、片側がオープンなモノレール構造と取り外し可能なガードにより、重たい木材の出し入れやダブルカット(両方向切断)も効率的に行えるよう工夫されています。
また、現場でのメンテナンスや刃の交換が簡単にできる構造も大きな特長で、プロの作業はもちろん、個人での運用にも対応できるシンプルさと信頼性を兼ね備えています。
操作性
- オープンサイドアクセス
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木材の据え付け・取り出しのしやすさは、製材作業において非常に重要です。
他の多くの製材機ではヘッド部分を左側に、丸太を右側に配置する設計が一般的です。この場合、狭い隙間から木材を取り出さなければならず、作業が煩雑になりがちです。
従来の二枚刃タイプの製材機では、この不便さを補うために「ドラッグバック機能」と呼ばれる木材を引き戻す仕組みを取り入れていましたが、その構造上、木材へのアクセスを妨げるバーが必要になることがありました。ターボソーミルのすべてのモデルは、丸太に対し180度の広いアクセスが可能です。これは他の製材機にはない優れた設計で、木材の取り扱いやすさを最優先に考えて製造されています。
側面が広く開放されていることにより、重い梁や板材でも簡単に取り出すことができます。
フォークリフトやローダーを丸太の横に寄せて、木材を持ち上げずに横に滑らせるようにして受け台に移せるので、とても効率的です。さらに、刃を丸太の上に配置しながら、作業者からはしっかり離して安全に保つように設計されています。
このように、木材の据え付けや取り出しの工程をスムーズに進められることが、ターボソーミルの大きな魅力です。
- シンプルな操作性
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スイングブレードは、わずか半日ほど操作することで十分に扱い方を習得でき、まっすぐで正確な木材を切り出せるようになります。
最初に水平に切り込み、次に垂直に仕上げる(またはその逆)ことで、角度の整った90度の木材を生産することができます。
また、丸太の中に節が見えてきた場合も、その場で節をうまく切り落とせる柔軟さがあります。
製材精度
- 多彩で柔軟性のある製材
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スイングブレードならではの多彩な加工をぜひ体感してください。
丸太を回転させることなく、簡単にクォーターソーイング(四分割製材)が行えます。
水平切断と垂直切断をその場で切り替えて製材するため、大きな縦刃と小さな横刃を組み合わせた二枚刃タイプの製材機にありがちな制約を受けません。さらに、フラットソーイング(またはバックソーイング)にも対応可能です。上・下・側面から水平に板を切り出す方法で、特に木材内部に応力がある丸太の場合、板の反りを抑える効果があります。
ターボソーミルは、お客様の用途に合わせて最適な製材方法を自由に選べる柔軟性をお届けします。1回1回の切断で、優れた精度と自由度をぜひ実感してください。
- ダブルカット
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「ダブルカット」とは、幅300mm仕上がりの場合、丸太を丸鋸で左右150mmずつ両方向から水平切断する製材方法です。
一般的な二枚刃タイプの丸鋸製材機では、1回の切断に2枚以上の刃を使う設計が多く見られますが、特に2回目の「逆方向」の水平切断を行う際に、その制限が顕著になります。一部のメーカーのスイングブレード式では、動力ヘッドが刃のすぐそばに配置されているため、この2回目の切断をスムーズに行えず、キャリッジを持ち上げて回転させるなどの面倒な操作を必要とする場合があります。ターボソーミルは、そうした問題を革新的に解決しました。
当社の設計は取り外し可能なガードを備えており、ダブルカット作業を驚くほど簡単にします。M12-28Aモデルでは、一度の切り下ろしで600mmの幅広な一枚板をスムーズに生産できます。
最先端の設計と卓越した効率性の違いを、ぜひご体感ください。
- 段階的な切断でどんな木材にも対応
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堅くて切断が難しい木材でも、ドロップソーのように効率的に切断が行えます。
比重が大きい硬い木材を切るときに発生する振動から、刃や製材機を痛めないか心配になる方も多いと思いますが、ターボソーミルのスイングブレードなら安心です。無理なく段階切断が行え、刃や機械への負担を抑えられます。ナラやクヌギのような非常に硬い木材では、幅300mmのボードを作るために、最大で3回の断続切断が必要になる場合もあります。
段階切断のメリットは、負担を軽くできるだけでなく、精度の高い仕上がりを実現できる点です。最初の切断がその後の切断のガイドになり、板の端から端までしっかり正確に仕上げられます。特に幅広の水平ボードを切る際には、この方法が重要であり、硬い木材では二枚刃タイプの製材機では難しい場合があります。
さらにターボソーミルでは、スイングブレードを自動化することで、段階切断のたびに丸太に沿って歩き回る必要がなくなります。快適さ、精度、そして高い効率を兼ね備えた新しい製材の標準を体感いただけます。
- 一枚板やテーパー加工にも対応
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優れた標準製材機能に加えて、テーパー付きボードの加工や最大約1500mmの一枚板を加工できるオプションをご用意しています。
これらの多彩な追加オプションにより、製材の可能性が大きく広がり、より多くの加工に対応できるようになります。
- 高効率な量産製材
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スイングブレードの強みの一つは、その効率性にあります。
他の製材機と異なり、スイングブレードでは一枚目を回収している間に、次の一枚をすぐに切断できる仕組みになっています。このスムーズな流れによって、一枚あたり10~20秒もの時間を短縮できます。ターボソーミルは、このスイングブレードの利点をさらに進化させ、自動操作モデルを展開しています。先進的な自動技術により、他のスイングブレード製材機で通常2人必要な作業を、1人でこなせます。自動で次の切断に移行し、その間にカット済みの板を回収・積み重ねることができるため、作業の無駄を徹底的に省きます。
その結果、ターボソーミルは製材効率の分野で群を抜く生産性を実現しています。
- 木材内部の応力解放
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ターボソーミルの大きな特長のひとつが、応力のある丸太でも驚くほど簡単に製材できる点です。
単一の刃で、まず縦に切り込みを入れてから横に切る(またはその逆)といった柔軟な切り方ができるため、二枚刃の製材機でよく起こる「切断後の木材が刃にこすれる」といった問題を防げます。万一、丸太内部の応力で切断が影響を受けた場合でも、切り方を少し変えるだけでスムーズに作業を続けられます。ターボソーミルの魅力は、このような扱いやすさにもあります。
横方向の切断から始める場合でも、オペレーターは簡単にキャリッジの周りを移動でき、一人での作業でも負担なく進められます。
他のメーカーでは、梁にくさびを打ち込んだり、丸太の周囲を回り込んで木材を回収する必要があるケースが多いですが、ターボソーミルは違います。このモノレール構造こそが、効率性と使いやすさへのこだわりを表しています。
耐久性
- ブレードのコスト
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スイングブレードによる製材は、非常に経済的でコストパフォーマンスに優れています。
スイングブレードは4〜8枚の小さな刃を持ち、1枚の刃の研磨にかかる時間はわずか20〜60秒ほどです。メンテナンスは2〜4立方メートルごとに行うのが目安です。
ブレード先端の刃は10〜20回の研磨後に交換が必要になりますが、1セットの刃で最大80立方メートルもの製材が可能です。
標準付属品には1枚のブレードと専用シャープナーが付属しており、非常に経済的です。また、円形刃(スイングブレード)自体は長寿命で、丁寧に扱うことで製材機の使用期間にわたって使用できる耐久性があります。一方で、バンドソーのブレードは1時間以上の連続使用を推奨しておらず、木材品質を維持するためには40分以内の使用が望ましいとされています。
バンドブレードは通常、交換までに4〜9回の研磨が可能です。研磨にはある程度の技術が必要で、歯の本数にもよりますが3〜10分程度かかり、コストや作業負担が増える傾向にあります。
ターボソーミルのスイングブレードは、長期的に見ても維持管理の負担を軽減し、安心してご使用いただける製材機です。